次の日。


芦田はマスクしていた。
ほら見ろ、濡れた格好で待ったりするから。


なんて思いながら、内心少し心配している俺がいる。
いや、なんでだ。あいつが俺を拒否ったからであって、俺のせいじゃないだろ。

頭の中で格闘していると、芦田がこっちに向かってきた。


「これ、ジャージ。ありがと。」

「あ、ああ。」

なんか拍子抜け。芦田が俺にありがとうって言うなんて。顔こえーけど。