「期待しても無駄なんだけどね」
諦めたように微笑むと抱き寄せている力を少し強めた。
「無理して笑うなよ」
「無理なんかしてないよ」
「ならなんでそんな泣きそうなんだよ」
泣きそう?
「私泣かないよ」
そう。私は泣かない。
あの時そう誓ったんだ。
すると突然頭をポンポンと撫でられて
「...ありがとな」
そう言われた。
「ん?なにが?」
お礼を言われるほどのことはしてないんだけど。
「愛結の話、聞けてよかった」
「そんなにおもしろい話だった?」
「そういう意味じゃない。
愛結の話を聞いて思ったんだ。
愛結を支えてやりてぇ、って」
どくん、と心臓がなる。
「...」
突然の言葉に何も言えなかった。
「愛結が抱えてるものは俺が一緒に支える。
俺だけじゃなく...海龍の奴らだって事情は知らなくてももう愛結のことは仲間だと思ってる。
もう一度言う。
愛結...姫になれよ」
