あの場所で。



「しょうがなく産んだの。誰の支えも無くね。

だからお母さんにとって私はお荷物。

邪魔だとしか思ってないの。

だから愛されたことなんて一度もない」


愛されない...その言葉で手が震えてきた。


するとそれに気づいた楓が優しく抱き寄せてくれた。


私はびっくりしたけどそのまま話を続ける。


「でもある時突然お父さんが訪ねてきたんだ。

認知はしなかったけど自分の子供だから、って私に会いにきたの。

そしたらここに連れてきてくれたんだ」


「だからここに来るのか」


「うん。お父さんね、悪い人じゃなかったの。

すごくいい人だった。

でもあれ以来会うことはなかった」


心のどこかで会いたいって思う自分がいる。


あの優しい笑顔を...また見せてほしいって。