あの場所で。



「愛結おかえりー。

遅かったから先食べちゃったよ」


「早くても先に食べちゃうでしょ」


「あ、バレた?」


そう言って笑う夏鈴にふふっと返す。


「で、ちょっと真剣な話になるんだけどさ...」


突然真剣な顔をした夏鈴は夏鈴の手を私の手に重ねた。


「愛結はあの家にいたいの...?」


その声は少し震えていて。


「いたくないよ。

でも、あそこからは逃げられない」


─逃げたくても逃げられない。


あんなに存在をけなしてくるくせに、アイツは私を逃さない。