あの場所で。




海に行ったあとカフェでいっぱい飲んでから帰る、というのが私の生活。


夜遅くに帰っても別になにも言われない。


というか、存在自体を忘れられている。


カランコロン、と音を立ててドアを開けると、マスターといつもの会話をする。


「いらっしゃい。いつもの?」


「うん」


「はいよ」


と共に、置かれたカプチーノを飲んで


「ハァ...」


溜息をつく。


いつもだったらこんな時間だから客は私以外誰もいないんだけど。


今日は見覚えのある背中があった。


「マスター、あの人だれ?」


そう問うと、マスターは小さな声で答えた。


「この街をしめてる暴走族の総長さんだよ。

"関東№1"だとか」



「ふーん」



そんなすごい人だったんだ。