たった一度だけ。
父親とここで遊んだことがあって。
それが最初で最後に会った日だった。
母親も父親のことが好きだったらしくて、何度も体を重ねて私ができたらしい。
でも認知はしない、と言われてそこから母親は愛されなくなった。
でも小さい頃一度だけ、"自分の娘だから"と言って家に訪ねてきたことがあった。
その時は私が楽しめるように、とたくさん楽しませてくれた。
ひどい父親なのかと思ってたけど意外といい人だったんだな、という記憶がうっすら残っている。
でも母親はそれから荒れて新しい男を作りまくった。
やっと自分に合う人を見つけたのか、この前婚約者と呼ばれる人ができた。
ソイツはいつも家にくる人で。
浅田組の組長らしい。
─結婚したら私はどうなるんだろう。
前に一度会った時。
なんだこいつ、と言われ名前を名乗るとひどく軽蔑した目で見られた。
そのあとの母親とあの人の会話を聞いて。
『結婚するとなるとアイツは邪魔だな』
『私だって迷惑なのよ』
私は本当に邪魔なんだ、と知らされた。
