あの場所で。



30分ほどたって、そろそろ疲れてきたのか。


少し息切れをしながら



「あたしは...アンタが一番嫌い」



そう言い残して、家を出て行った。


こういうことが起きた日はたいてい帰ってこないから。


重い体を起こして自分の部屋へと向かう。



「...確かここにあったはず」



小さな引き出しの中から痛め止めと塗り薬を出した。


カッターシャツを脱いで痣になっているところなどを塗り続ける。



「....はははっ」



私の乾いた笑いが部屋に響く。


───油断しすぎた。


おかしいとは思っていたんだ。


この1ヶ月何もしてこなかったから。


私的には好都合だったけど、いつかは何かされるとは思っていた。


でもまさかいつも以上殴られるとは...


もうこのことを考えるのはやめよう。


少し大きめのパーカーを着て、もう寝ることにした。


脱ぎ捨てたブレザーのジャケットをポールに掛けようとすると。



「何...これっ...?」



ポロッと紙が落ちた。