あの場所で。



しばらくして。


玄関のドアが激しく鳴る音がした。



それで、ハッと我にかえるとスマホがずっと鳴っていたことに気づく。



慌ててドアを開けた途端……



「……愛結!」



強く、強く抱きしめられた。



「楓……ごめ……っ」



「無事でよかった……大丈夫?なんかあったのか?」



かなり焦った声で聞いてくる楓に、罪悪感がわく。



「い、いや……なにもされてないんだけど……」



〝覚えときなさい〟



それが頭から離れなくて。



「とにかく、まじで無事でよかった。

連絡もつかねぇし、ほんと焦った」



「ごめんね……」



「話はあとでゆっくり聞くから。

とりあえず海行くぞ」



抱きしめている腕をほどくと、また私の手を優しく包み込んで。



私を見てから、柔らかく微笑んだ。