「愛結、」



「ん?」



「楽しみ、か?」



「うん、すっごく!」



そう言えば楓は「そうか」と小さく微笑む。



─────ドキッ、と。



その微笑みを見て、心臓が鳴る。



最近……いや、楓が家に泊まりに来た日から楓を見てるとドキッとすることが多い。



多分これは…………



「愛結?どうかした?」



「いや、なんでもない」



─────だめだ。



これだけは、絶対に気づいてはいけない。



気づいたところで迷惑なのは楓の方だ。



「早く海に遊びに行きたいな」



「ああ、そうだな」



これ以上は考えるのやめよう。



頭を横にブルブルと振って、楓を見上げると────また小さく微笑んだ。