「愛結」



ふ、と。楓に低い声で呼ばれて、楓の元へと駆け寄れば。



「なるべく俺らから離れんなよ」



くしゃっ、と頭をなでられる。



───これ、結構好きだなぁ。



「うん、わかった」



撫でてくれる手が気持ちよくて目を細めると、段々と眠くなってきてしまった。



「……愛結?眠いのか?」



「うん……」



「んじゃ、こっち来い」



いつもの姫と総長の席に座ると、体が横に倒されていつの間にか楓の膝の上にいた。



「おやすみ」



目を閉じる前にそう聞こえてきて、それに安心してそっと目を閉じた。