あの場所で。



「ねぇ、本当のこと教えて。

なんで触ったの?」



別に触られようがなんだろうが怒ったりはしない。



ただ。彼らが無断でそういうことをしない、というのは私も知っているから。何かあるんだなって思った。



「楓、言った方がいいの?」



「もう隠す必要はねぇだろ。

教えてやれ、柊也」



それに「そうだね」と返事をした柊也はそのまま続ける。



「愛結ちゃんが姫になったことによって、愛結ちゃんはいじめのターゲットにされたんだ。

俺達も馬鹿じゃないし、そんくらいは予想してたから朝早めにきて靴箱、机、ロッカー、すべてをチェックしたんだ」



すべて……。



「まぁ、見事に悲惨なことになってたから全部買い換えた」



「ぜ、全部!?

お金とか大丈夫なの!?」



後ろから「そこかよ……」なんて聞こえるけど、私にとってはいじめなんかよりそこが重要だった。



「お金のことは心配しなくていいから、とりあえず自分の事を心配しようね」



にっこりと腹黒い笑顔で言われて、背中がゾクッとする。