あの場所で。

【楓side】


風呂に入る、と言って愛結が部屋を出たあと、クッションに顔を突っ伏した。



………バカか、俺。



さすがにここまで気持ちが溢れてくるとは、思わなかった。



ちょっとでも油断したら〝好き〟って口から出そうで。



顔を赤くしながら別に、と答えた愛結がどうしようもなくかわいくて。



思わず、やべぇ、と口に出してしまった。



ふと、隣に置いてあったスマホに目を向けると、丁度柊也から着信が鳴った。



「……もしもし」



『もしもし?楓?今どこにいんの?』



「あー、愛結んちいる」



『え、愛結ちゃんち…?

あ、やべ。蘭と海人に聞かれた』



スマホからうっすら「ずるい」だとか「僕も行きたい」だとか聞こえてくる。



……うるせぇ。