そして、3人共食べ終わると、珍しく「俺が皿洗ってやるよ」と大和が言ってくれて。
私と楓が2人きりになった。
楓が元々口数が少ないせいで、一言も言葉を発さないから、気まずさが走る。
……なんかしゃべれよ、と思った途端。
「……カレー、美味かった」
やっと発したのがこれ。
「あ、ありがと…」
突然褒められたから、やっぱり返事はぎこちなくなる。
「もうすぐ、夏休みだな」
「そう、ね」
正直、夏休みは楽しい思い出はない。
達也さん達に海に行こう、と言われた翌日に母親に殴られて結局海にいけなかったり。
今の婚約者と出会う前に荒れていた時、ほぼ毎日殴られ続けた覚えもある。
……だけど。
今年は〝海龍〟という仲間がいるから。
今までで一番楽しい夏休みになるんじゃないか、なんて。
心のどこかで思っている自分がいる。
