「でも俺、ただ出掛けただけだと思ってたから」 ずっと母親の帰りを待ってたけど、帰ってこなくて。 小6の時、父親が再婚した。 納得できなくて、父親に聞いたら、あの日母親が置いてったものは俺だけじゃなくて。 〝離婚届け〟 サイン付きのそれを置いて、でてったらしい。 「それから、再婚相手に1回会ったら、すげぇいい人でさ」 母親がいなくなって寂しかったのは俺だけじゃなかったんだ、ってわかった。 だから俺は、その再婚を認めた。