あの場所で。

【楓side】


「……母親に捨てられたんだ」


何故だかわからないけど。


キッチンに立ってる愛結と、実の母親が重なった。


「楓……」


───俺がまだ物心ついたばかりの時。


父親は仕事が忙しかったらしく、あまり家に帰ってこなくて。


優しい母親と二人きりの生活が多かった。


───そんなある時。


「さようなら」


突然母親が家を出ていった。