しばらく他愛のない会話をしていると、もう10時を過ぎていた。


「そろそろ、帰るか?」


「...うん」


「大丈夫だ。愛結はもう1人じゃない。

なんかあったらすぐ連絡しろ」


"1人じゃない"


たぶん私にとってこの言葉は



「うん、ありがと」



今1番欲しい言葉だったと思う。



「ん、じゃマスター。

ここに金置いてくな」


「了解! またきてね」


「ごちそうさまでしたー」


この時、そっと手を握ってくれたこの触感に。


「また明日、迎えに来るから」


───ドキッとしたのは気のせいだろう。