──カラン、コロン


「あ、愛結ちゃん...と総長さんじゃないか。

二人ともカプチーノとコーヒーでいいかい?」


「うん、ありがと」


「あぁ」


マスターに返事をしたあと、今日はめずらしくテーブル席へと座る。


「ここにもよく来るよな」


「ここは知り合いの友達の店なんだ」


「そうか」


「はい、どうぞ」


「ん、マスターありがと」


置かれたカプチーノを一口飲んで。


「そういえば明日」


ふと、思い出したように言う楓。


「明日?」


「愛結のお披露目会やるって蘭が張り切ってっから予定空けとけよ」


「んー、わかったけど。

午後からでもいい?」


今日達也さんに会いに行く予定だったんだけど、行けなかったから。


明日会いにいくつもりでいたんだけど。


「別に悪くはねぇけどなんでだ?」


「ちょっと用事があって」


「用事って?」


「今日知り合いに会いにいく予定だったんだけど、行けなかったから明日行こうと思ってたの」


「それって男か?」


...まぁ、男だけど。


「別に彼氏とかそういうんじゃないよ。

親、みたいな人かな?」


そう言うと楓はホットした顔をして、コーヒーに口をつけた。