『むぅ…。』

当たっているから黙りこむしかない。

「で?」

『…』

もう逃げられないと分かった私は
一昨日の出来事を藜に話した。

おばさんが事故で死んだこと。

おばさんと約束したこと。

それを親戚の人たちに話したこと。

笑ってお別れを言ったこと。


『…っ!』

全部話し終わったら突然藜に抱きしめられた。

『ら、藜?』

「泣け」

『え?』

藜が何を言っているのか、理解できなかった。

「泣け。
泣いてねぇんだろ?」

…っ!

藜がそう言ったとほぼ同時に私は子供のように泣きじゃくった。

その間、ずっと藜は私の頭を優しくなでてくれていた。