男子に貰った箱を見ながら、あたしは当たり前の事を再確認していた。

いや、違う。

傍から見ると箱を見てるように見えるだけで、あたしは男子に貰った箱なんて見てなかった。

手に持っているけど、持っていないような感じだった。

あたしはボーっとしていた。


「愛華ー♪」

「うわぁ!?」


何かがあたしに飛びついてきた。

もしかして……ストーカー?

あたしが可愛すぎて、つい抱きついたアホなストーカーなの?!

撃退しなきゃ!!


状況を把握したあたしは、とっさに手に持っていた物をソイツにぶつけた。

「ぶわっ?!」


ストーカーはマヌケな声を上げる。

ちょうど額に当たったらしく、両手で額を押さえている……

って、あれ?
 
よくよく見ると……、

あたしに抱きついてきたのは、ストーカーじゃなかった。

それは………