お昼休みも3人で、あたしの席に集まっていた。
今流行りの歌だとか、他愛もない話で盛り上がれるのは若いうちの特権だと思う。
お昼休みも半分終わった頃、
「香奈」
誰かが、香奈を呼んだ。
「あ…、松浦君…?」
香奈の好きな人、松浦君だった。
人当たりの良さそうな、爽やかな笑顔を浮かべている。
「ちょっといいか?」
「う、うん。何?」
香奈は、さっきまでのクールな感じも忘れて、あたしの嫌いな香奈になる。
「あのさ、これ。次の委員会の」
「あ、ありがとう」
松浦君が、一枚の紙を香奈に手渡す。
香奈は、ほんの少し顔を赤らめて、それを受け取った。
初々しいカップルか。


