ほっぺを膨らまして、『怒ってる』のアピール。
「夏実、お箸で人を指さないの。お行儀悪い」
香奈が夏実をたしなめる。
「はーい」
「でも、愛華、本当にどうしたの?悩み事?」
「皆で、解決しよっか!」
いや、なんであたしが悩み事ある前提で話してんの……。
香奈は慎重すぎるし、夏実は能天気すぎるし…。
ここまでくると、気が抜けてくる。
「大丈夫だよ。なんかボーッとしてただけ」
あたしは、2人に笑顔を向けた。
「ほんとに?」
「ほんとに」
香奈はそれでも心配そうだったけど、しぶしぶ納得したし、
「じゃ、かまってくれる?」
「……はいはい」
夏実は夏実で、納得していた。


