でも、それとこれとは別問題。
…もしかして、夏実も祐、狙ってる?
いや、ないな。
だって、初恋もまだの超純情少女の夏実だし。
転校生にたった1日で恋に落ちるって。
ありえないよね。
…あたしは、恋に落ちたっぽいんだけどさ。
自分のことは棚に上げて、夏実の事で頭がいっぱいのあたし。
突然鈴の音のような声が聞こえた。
「愛華、どうしたの?ずっとボーッとしてるけど」
「えっ?」
「ほら、やっぱりボーッとしてる〜」
香奈が、あたしを見つめる。
困ったような、怒ったような表情をしている。
「そーだよー!愛華、全然かまってくれまない!」
さっきまで、黙々とお弁当を食べていた夏実も、ビシッとお箸であたしを指す。


