天気は、今日も快晴だった。
「西澤さん、こっ、これ………」
校舎の裏側。
芝生の生い茂る、裏庭。
そこに置かれている木製のベンチを背に、顔を真っ赤にした男子が立っている。
男子は、自分と向かい合って立っているあたしに、ソレを差し出しす。
「わぁ、ありがとう!」
あたしは、大げさな態度でソレを受け取る。
受け取るあたしの指は、爪は今日も綺麗だった。
男子は、心底嬉しそうな顔であたしを見つめている。
単純だな〜。
なんて、言えないけどね。
「もしかして、バレンタインのお返し?」
あたしは、まるで今思いついたかのように男子に聞く。
貰ったものは箱。
ただの箱ではなく、真っ白な包装紙にピンクのリボン。
女子っぽさ満開これを買うのは、恥ずかしかっただろうな〜。
あたしの質問に男子は、更に顔を赤くする。
「あ、あ、うん!はい!」
「えー、嬉しい!ありがとう」
語尾にハートがつきそうなくらい甘えた声。
我ながら気持ち悪いと思う。
「そ、それじゃ、まっ、また!」
そういうと、男子は走り去っていった。
あたしは箱に目を落とす。
……これで、何個目だろう?