白帝城で劉備は臨終の床に着く。

「孔明、後はよろしく頼む。
息子よ、孔明の意見によくしたがって、
漢王朝を中原に再興してくれ」

「父上、よくわかりました。孔明の指示に従い、
必ず漢王朝を中原に再興いたします」

劉禅は諸将の前で父に誓った。
「疲れた。わしは一眠りする。皆下がってよい」

皆がさがりかけたところで孔明を呼び止め劉備は、
最後に枕元でこう言った。

「趙雲とお前の言うことをよく聞いておくべきだった。
将も民も今や疲労困憊している。魏と呉が争っている
今こそ、防備を固め富国に専念してから後、
兵を建て直し余の天命を固めてくれ」

「わかっております。魏と呉の今の戦いぶりからして
全くの互角です。必ずや双方とも疲れ果て、
しばらくは戦どころではありますまい」

「三国鼎立し互いに国力を高める時か?」
「さようでございます」
「孔明、お前の言う三分の計がここに完成したな」