孫権は連合政権であり曹操とは恭順する方向が大勢だった。
ここに徹底抗戦を唱える名将周瑜を魯粛は説得した。

周瑜は呉軍随一の戦略家にして芸術や学問もある
美男子の最高司令官だった。

曹操はすでに数千隻にもなる大水軍を作り上げ、
長江上流の要衝江陵に集結を完了し、
宣戦布告状を孫権に送りつけてきた。

青目で赤毛の大男孫権は戦闘を好まない。
諸将と共に一時講和の方向でまとまりかけた。

その時大声で叫んだ一人の将軍、
「曹操恐るるに足らず!」
名将周瑜は諸将の前で大演説を放った。

「曹操の軍は水郷の戦いには不慣れだ。
雨もよく降るし食い物も口に合わない。

今や病がはやり体力は消耗し船酔いで
戦力は間違いなく低下している。

併合された刑州軍はもともと我らの味方だ。
5万の精鋭があれば絶対勝てる!」

孫権の顔色はみるみる変った。
周瑜は続ける。

「劉備の2万に我が直属の水軍3万を加うれば
総勢5万。全て精鋭中の精鋭である。

あとはいらん。残り10万は首都を防備せよ。
以上、いかが!」

孫権と諸将は防備の側と聞いて安堵した。
美男子最高司令官の大迫力に
孫権と諸将は声を合わせて、

「よし、戦おう!」
と劉備との同盟を決定した。