秋の声




そこへ、あっちゃんがやって来た。

「いちちゃんー。今日は私が当番だよー」
「私は委員長だもーん」

「そりゃそうだけど・・・そういえば、まだ『数学探偵』読み終わんない?」

・・・そうだった!

「ごめん!文化祭終わったら絶対一週間で読み終わらせるから!」
「よろしくねー」

そう言いながら彼女は辞書並みの厚さの本を2冊カウンターに置いた。

「え⁉︎その本昨日借りたばっかだよね!読み終わったん⁉︎」
「うん」
「早くない⁉︎」
「私、その本一冊30分で読んだよ」
「早い!!」

速読だ。

「え、じゃあ115ページの主人公が怒った時の台詞いえる?」
「私、読むのが速いだけで、記憶力が良いわけじゃないんだけど・・・」

「あ、そっか・・・。まあ、とにかく、もうちょっと待って!ちゃんと読んでるから!」
そう言って、手に持っている『数学探偵』という推理小説を見せた。