秋の声









いつの間にか降り始めた雨のせいで、外はもう暗かった。
「真っ暗だねー」
「あっちゃん、傘ある?」
「折り畳みがある!」
あっちゃんが折り畳み傘を広げるのを見て、私も自分の傘を広げた。


しばらく歩いていると!あっちゃんがそういえばと言い出した。
「またカラオケ行こうね!」
「え、・・・そうだね」
「葡萄狩り光線、歌いたいなー!」

去年、私は罪悪感を払拭したくて彼女をカラオケに誘った事がある。
その時に歌った『葡萄狩り光線』という歌を彼女は大変気に入ったらしい。

「いちちゃんはあーゆうビジュアル系好きなの?」
「いや、たまたま知ってただけ」
「へー」
「あっちゃんは好きなん?」
「うーん、好きっちゃ好きだけど、最近のマイブームは関西のアイドルグループかなあ」
「ああ、9人の?」
「そう!めっちゃ好っきゃねーん!」
「へー」
「いちちゃんは?好きな歌手だれ?」
「私はスガシカオ」
「しぶーい!」
「・・・・」
どうせ好きなドラマは大河ドラマな渋い女ですよーだ。

「ねぇ。文化祭終わったらカラオケ行かん?」
あっちゃんが笑顔で提案した。
「良いね。じゃあそうするか」
「やった!文化祭もその後も楽しみだな!壁画、いいの完成させようね!」
「うん!」
「バイバイ」
「バイバーイ」



あっちゃんは誰よりも文化祭を楽しみにしていた。