中学三年生の秋。

体育祭が終わり、クラスの団結力が増して、次は文化祭。


生徒会室には、執行部の面々と、文化委員長である私、御村一花が集まっていた。

「体育祭は執行部と体育委員が中心となって進めとったが、文化祭は執行部と文化委員で進めてもらいます」

理科の先生がプリントを配りながら説明を始める。

「君たちの主な仕事は本番の司会進行と、オープニングで流す映像の作成です」
「オープニング?」
「ほら、去年はお面被って寸劇しとったろ?」
「ああー」
「同じのはダメなんで、何か考えて。撮影は先生が手伝うけえ」

私たちが返事をすると、先生は部活があるからと生徒会室を出て行った。

議長が辺りを見渡すが、意見が出てこない。

「どーする?」
書記のキョウちゃんが私に尋ねた。

「んー、生徒会室のオモチャ箱になんか無いんかなー?」
ロッカーの中にある箱の中を探る。

「んーとー・・・あ。良さそうなのあったよ!」
「どれ?」
「これ!」
私が取りどしたのは怪獣のフィギュア。
「これが文化祭があるのを聞きつけて、海岸から学校にやってくるのをヒーローがやっつけて、最終的に仲良く楽しむ。ってのはどう?」

みんなの口から小さく「おー・・・」と聞こえた。