?「どうして逃げるんだい?」

逃げるに決まっている。ナイフを持った男が突然現れたら普通逃げる。
俺と拓弥は動けなくなっていた。
腰を抜かしたのである。

望「に、逃げるに決ってるだろ!お、置いた。お前、ナイフを持ってんじゃねーかよ!」

拓弥は……話せそうにない。歯をガチガチと鳴らして怯えている。

?「あぁ、これ?それじゃ、離せば話を聞いてくれるかい?」

そういうと、男はナイフを机に置いた。

?「これでいいか?」
望「あぁ、まだそっちの方がいい。」

ナイフも無いのにこの緊張感。
自然と汗が流れる。心臓もドキドキしている。

すると男はこう言った。


?「僕は祐希って言うんだ。」