嫌いな君のことが好き


だから、私は石松がいなくても生きてこれた中学最後を楽しまなくてはいけない。

「よっしゃ!公民館行くぞ!」

また夏が近づいてきて、受験という大きな壁によじ登り始めた。

みんな気持ちをあらためて、たむろする場所はカラオケから公民館に移った。

「それにしてもあちーなぁ。」

佐々本が参考書をうちわにしてあおいでいる。

「エアコンつけるぞー。」

公民館のある一角に、あんまり人が使わない休憩所がある。

私たちはそれを占領して、職員が来ないことを良いことにエアコンをつけまくっている。

今まではよっぽどのことがない限り、勉強なんてほとんどしなかった。

でも私は石松に会えるかもしれないという微かな希望を胸に、勉強することができる。

石松のこと好きになってなければこんなこともなかったんだよね。