とりあえず辺りを見回す。
あ、
いた……。
無意識に顔が歪む。
もう一度小さくため息をしてから、
あいつに声をかける。
璃「ねぇ篠田。何か用?
私、美優と楽しくおしゃべり中
だったんだけど?」
あいつとは、
篠田 翼(しのだ つばさ)の事。
篠田の肩が「美優」という言葉に少し反応する。
こいつは、美優のことが好き。
一応私の彼氏だけどね。
ちなみに私は篠田の事が好きではない。
好きどころか、大嫌い。私の天敵。
好きあってないのに、
なぜ付き合っているのかというと、
それは、一週間前にさかのぼる――――