途端に私は脱力する。 こんなに恋い焦がれても、 私の恋は叶わない。 香山くんは、美優のもの。 現実を思い出し、喉が熱くなる。 昔から、私の好きなものは 美優がもっていってしまう。 …ちょっと、やばいかも。 さっさと出ていってもらわなきゃ。 「で、どうしたの?」 私は、あえて冷たい声で 目も合わせずに言う。