君と描いた日常-負け組女子高生

「悠紀、何か悩んでたりしない?」


真っ先に悠紀の変化に気付いたのは、母親だった。


「何もないよ。」


悠紀は冷たくあしらった。


「嘘よ。お母さん13年間悠紀の事育ててきたのよ?あなたが辛いのに気付かない訳がないでしょう?」


母親の優しい口調に、悠紀は今まで我慢していた物が崩れ落ちた。


悠紀は涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、鳴咽まじりに辛さをすべて母親にぶつけた。


「苦しかったのね。お母さんもっと早く気付いてあげればよかったのにね。」


母は泣き崩れる悠紀の前にしゃがみ込んだ。


「こんなに痩せて…」


優しく背中をなでる母に悠紀は身を委ねた。


次の日、母に打ち明けたおかげか楽な気持ちで朝を迎える事ができた。


「悠紀、何かあったらお母さんに話しなさいね。」


玄関まで送り出してくれる母に手をふって悠紀は学校へ向かった。