君と描いた日常-負け組女子高生

「悠紀って、ちょっとキツく言うとすぐうつむくよね。そういうのうざい」


ある時あかりにそう言われ、悠紀の胸はチクリと痛んだ。


ゴメン、としか言いようがなかった。


ある日あかりとトイレに行った時、個室の外での会話が聞こえてしまった。


「最近あかりさ、高島さんと一緒にいるよね。なんでー?」


声の主は山田さんのようだった。


「え…あぁ、高島さんが一人だからさ、一緒にいてって言われたんだよ」


少し口ごもってあかりはそう答えた。

私はそんな事を言った覚えはない。

なんで嘘をついたんだろう。

そうか、自分の立場を守るにはしかたないのか。

あかりは自分と違って自分のグループ以外の子とは上手くいってるから。

それ以上に、あかりが悠紀以外の子の前では高島さん、と呼んでいるのがショックだった。

その出来事をきっかけに、徐々にあかりへの不信感が募って行った。