君と描いた日常－負け組女子高生

ある時、いつものように昼休み彼女がトイレでこもっていた時の事だった。


外で、何やら会話が聞こえる。


「ねえ、ここの個室さ。さっきからしまったままじゃない？」


「ほんとだ。お腹壊したりでもしてるんじゃない？」


「あはは、くっさー！」


悠紀は額にじんわり汗をかいた。


どうしよう。


今出れば間違いなくクラスの女子からの攻撃はシカトや悪口じゃ済まなくなる。


考えた末、チャイムが鳴るぎりぎりまで彼女達が出ていくのを待つしか方法はなかった。


しかし次に聞こえた会話はそんな悠紀の計画を打ち砕く物だった。


「ねぇ、誰か出てくるまでここで待ってない？」


「えー、でも授業始まっちゃうよ？」


「でも誰がはいってるのか気にならない？」


「いいじゃん。一回ぐらい遅れても」


私はよくない。ただでさえクラスでハブられてるのに、皆に見られながら教室に戻るのは絶対に嫌だ。