君と描いた日常-負け組女子高生

「はい、これあげるよ」


さっとみかんを前に突き出すと、4人は少し戸惑った表情をした。


「あ、ありがとー」


ひきつった笑顔で山田さんがそれを受け取ると、ひそひそ、と耳打ちをした。


悠紀にわからないように相づちをかわした彼女達は、そそくさと場所を移動した。


このままではダメだ!悠紀はとっさに4人を追い掛けた。


さりげなく隣で行動して、時々会話に参加してみた。

その度、彼女達はひきつった笑顔を見せた。