君と描いた日常－負け組女子高生

中学校に入学した悠紀は、変化したクラスの環境に溶け込めずにいた。


中学への進学と同時に隣県へ引っ越した悠紀は、その地元の小学校から進学してきた同級生達の雰囲気がイマイチ掴めなかった。


小学校が一緒だった友達はおろか、顔を知っている子すらいない。


心細さも手伝ってか、悠紀はどんどん無口になっていった。


新しい顔を物珍しがって、入学した時はたくさんの子達が話し掛けてきた。


しかしそれに対して悠紀は「うん」とか「そう」とかその程度の返事しかできなかった。


もちろん故意にではない。心の中では色々考えていても、いざ話し掛けられるとどんな言葉を発していいかわからなかった。