やがて教室でも一緒にいる時間が増えた。

毎朝始業時間ギリギリに登校する悠紀と朝の時間を過ごす事は珍しかったが、移動教室や10分休憩になると時々彼女は親しみを込めて私の肩をポンと叩いた。

授業中、クラスメイトの表情を観察していると視界に入る悠紀は、私の視線に気づくとニヤリと口角をあげニヒルな笑いを浮かべた。

始めもっていた悠紀への憧れはやがて尊敬へ変わっていった。


彼女の落ち着いた物腰は、同い年とは思えなかった。

それで何度か、留年してるんじゃないの?と冗談まじりに尋ねたが、彼女はまさか、と言って笑い飛ばした。