「悠紀、足、早いよ…」


私はぜぇぜぇ息を切らせながら、悠紀に途切れ途切れ訴えた。


「ごめん、必死だったから」


悠紀は両手に膝をつき、顎から汗をポタポタ垂らしている。


無我夢中で走ってきた私達は、学校から1キロほど離れた河川敷に来ていた。


ゆるやかに流れる川を前に私達は砂に埋まった大きな岩の上に腰をおろした。