君と描いた日常-負け組女子高生

4時間目が終わった時だった。


「山崎さん。おべんと1人で食べるの?うちらんとこおいでよ。」


ニコニコ愛想のいい笑顔で北森は声をかけてきた。


くるんとカールされたまつげが彼女のかわいらしさを際立たせている。


「ありがと。でもいいや。宿題やりながら食べるし」


北森の笑顔につられて私もニコニコ答えた。


「そっかぁ。じゃ、またいつか一緒に食べよ。」


北森さんはひらひら手をふって戻って行った。


もし私がもっと素直でなおかつこんなひねくれた性格でなければ、彼女の誘いは大歓迎だっただろう。


でも私はあんまり彼女が好きではなかった。


嫌い、とまではいかないが、「私はみんなと仲良しです」みたいな善人面した所が気に入らなかった。


私の事を見下してるからこそそんなに軽く接してくるんだ。


そう思っていた。


あるいはひがみだったのかもしれない。


私は彼女のように要領良く生きられないから。