君と描いた日常-負け組女子高生

「今日、マリエちゃんお休み?」


体育の着替えを終え、階段を降りている私に美術の北村先生が声をかけてきた。


美人で面白くて、誰にでも気さくに話し掛けてくる生徒の間でも人気の先生だ。


「なんかお腹痛いらしくて」


私は目を泳がせながら答えた。


今朝は滅多に鳴らない私の携帯が震えた。

マリエからのメールだった。


「今日寝坊しちゃったから休むわ〜ごめんね!」


いわゆるギャル文字と呼ばれる、記号を組み合わせて作られた文字ひとつひとつを10分かけて解読し、


「わかった」とだけ返事をして今朝は登校してきた。