「私が遅い時間に帰ってきたら、御飯食べずに待ってるの。先食べといて、って言ってるのに、あんたと二人で食べたいからって…」


私は涙で声にならない声で頷いた。

「私が手首切った時も、今まで見せた事ないような顔でぼろぼろ泣きながら、あたしの事抱きしめて…」

「うん…」

「私がいじめられてた時も、私の事心配でどうしょうもなくて、電話したのに…」

私は悠紀を抱きしめて、黙って話を聞いていた。


「お母さん、ごめん…本当にごめんなさい…」

うわごとのようにつぶやく悠紀を、私はただ抱きしめる事しかできなかった。