「母親を殺す娘なんて、最初から産まなかったらよかったのに…。」


「悠紀…」

私の呼びかけは聞こえていないようだ。
悠紀は、目の前に眠る母親に訴えかけるように言った。

「どうしてそんな余計な事したの?!

お母さんは生きていく理由があったじゃない!

私が死ねば解決する事だったじゃない!」

悠紀は壊れたように地面を拳で叩きつけた。


彼女の手にはうっすら血が滲み、そこへ土がくっついていた。


私はそんな彼女の手を両手で押さえ込んだ。


「悠紀が死ねばお母さんの生きる理由がなくなっちゃうじゃない!」