君と描いた日常-負け組女子高生

「ねぇ、悠紀…」


話し掛ける私の声が聞こえていないのか、悠紀は墓地の中をずんずん突き進み、1つの墓石の前で立ち止まった。


必死に彼女の後ろを追い掛けた私は、悠紀の隣に立つと墓石を確認した。


『高島家之墓』


「悠紀、誰のお墓…?」


恐る恐る聞く私に悠紀は震える声で言った。


「お母さん…」