君と描いた日常-負け組女子高生

忠犬ハチ公前に立った時、私は悠紀に声をかけた。


「ね、記念に写真とろうよー。」


「やだよ恥ずかしい」


悠紀は眉間にシワをよせた。


「えー。携帯で一枚ぐらいいいじゃん〜。」


私は悠紀の服をつまんだ。


「思い出は残さない主義なの。」


悠紀はふん、と笑った。


「……何カッコいい事言っちゃってんの、悠紀〜!」


私が悠紀の背中をバンバン叩くと、悠紀は振り返って笑いながら私の頭をひっぱたいた。


とにかく私達は東京の渋谷、原宿、秋葉原というとりあえず名前を知っている所を電車で動き周り、最終的に新宿のマンガ喫茶に辿り着いた。