私の生活は段々生き生きとしていった。


ふと、私はある事を思い出した。


「ねぇ、悠紀。」


自分の席でノートの整理をしていた悠紀はこちらを振り返らずに言った。


「なにー?」


「悠紀さ。あたしの事嫌いだから一緒にいるの?」


悠紀はブッと吹き出して振り返った。


「なんでわざわざ嫌いな奴と一緒にいなきゃなんないの。」


「だってさー、前言ってたじゃん。嫌いな奴から学ぶ事も多いって…。」


悠紀は笑いながら手を左右にふった。


「だからって常に嫌いな奴と行動してたら気が狂うって。」


それだけ言うと悠紀はまた前をむいた。


「さっ、体育館いかなきゃ!」

照れ隠しなのか、悠紀はスッと立ち上がってずんずん歩き出した。


悠紀は決して直接的な言葉で友情を表現しなかったけれど、それがすごく嬉しかった。

口だけの友情より、よっぽど大きなものだと思った。