最近の帰り道は毎日こんな感じ。
「あ、美織!美織が美味しそうって言ってたアイス屋さん寄る?」
…こんな私の情報はちゃっかり覚えてるし。
「…、」
「あれ?また無視ー?」
「、………(自分のしてること分かってる!?)」
無言を貫く私。話したくない。話したら口から想いが全て溢れだしてしまいそう。
「美織?」
桐生の声が真剣な声に変わる。
「…、」
「、もういいよ。美織。」
真剣な声が聞こえたと思うえば、すぐに重たくドス黒い声が聞こえた。心臓が嫌な音をたてる。
「美織はそんなに俺のことが嫌い?」
「…(桐生の方こそ私のこと嫌いなくせに、)」
「こんなに色々仕掛けてるのに……。もうわかんないや。美織の気持ち。ちょっとしばらく距離置かせて。」
それだけ言うと、私をおいて帰っていった桐生。このほんの数秒の出来事に頭がついていかなくてただ桐生の背中を見つめる。