「美織ー、お待たせ!帰ろう!!」
わんこがしっぽを振っているかのように私のところに駆け寄ってくる桐生。こうして毎日私の教室に迎えに来てくれる。
「うん、」
私は桐生に淡白な返事をして、しっぽをふる桐生を横目に教室を出る。私についてくる桐生。
桐生の隣を通った瞬間いつもの桐生の香りより、少し甘い香りがした。…ああ、いつもより遅かったのってそういうことだったんだ。女の子とイチャイチャしてたんだ。
なんだかもう。苦しいな。
「ねー、あやちゃんってさ、鎖骨にホクロあるんだよ。」
「っ…ふーん、」
「あとるなちゃんは、毎朝寝ぐせがすごいの。」
「それとやよいちゃんはLINEの返信が凄く早いんだ。」
ふつふつと怒りがわく。なんで桐生がそんなことしってるの?どうして彼女の前でそんな楽しそうに話せるの?