Black Word



うっ。重い....。って、ここは?どこだろう。
辺りを見回していると、


「........なんで、クロマさんが?」


絶句。私、何かやらかした?いやいや、そんな私が?男の人を襲うなんてそんな趣味持ってませんよ....。

あ、そうだ、キイ!キイに聞こう。
なんでだろう....。記憶が曖昧。部分部分しか思い出せない。


そぉっーと、起こさないように布団を剥がした。のはずだった....


「どこに行く?」


「ク、クロマさん!?あ、えっと....おはようございます」

見事、見つかってしまいました。

「どこに行くのか聞いている。答えろ」


「ビクッ。す、すみません。キイをさっ、探しに行こうと....思いまして」


「すまない。泣かすつもりじゃなかったんだ。怖いか?」

えっ。私、泣いてる?それにクロマさんのこと、怖い訳じゃないのに....。言わなきゃ。

「ク、クロマさん。怖い訳じゃないです。あの、びっくりして....」


「そうか。........良かった」


だっ、抱きしめられた。なんでだろう。


「いい加減、名前で呼べよ」



「えっ、な、名前でですか?」



「あと、敬語もだめ」



「そんなぁ。急に言われても....」



「だめか?イオリ」

キューン。ノックアウト。

「ク、クロマ」

私は恥ずかしくて下を向きながら、クロマを抱きしめ返した。