Black Word




「そうだった。イオリちゃん、さっき走って逃げたの覚えてる?」


「うん」


「その時ね、僕とイオリちゃんが一緒にいる所を相澤組に見られちゃったんだ」


「ん?見られたらやばいの?」


「相澤組は、卑怯な組でね。悪いことは一通りしてるよ。だから、見られたって事は....」


「お前は拉致されて競売に売られる」

低い声で、そう言った。

「っっ!!」

言葉が出なかった。震えが止まらない。

「イオリちゃん!?」


「いや!........やめてっ........おねがっ」


ープツン。そこで私の意識は途切れた。